もうすぐ後期が始まりますよ。長くて短い夏休み。
もちろん世間的には十分長いんだけど。
借り出した本を備忘録代わりに記しておく。
La Fabrique du Moyen Âge au XIXe siècle. Rerpésentation du Moyen Âge dans la culture et la littérature française du XIX siècle, sous la direction de Simone Bernard-Griffiths, Pierre Glaudes et Bertrand Vibert, Champion, 2006.
Isabelle Durand-Le Guern, Le Moyen Âge des romantiques, Presses universitaires de Rennes, 2001.
Alphonse Daudet, Pages inédites de critique dramatique 1874-1880 (1922), L'Harmattan, coll. "Les Introuvables", 1993.
はじめの二冊は19世紀における「中世」の表象を扱った本で、
最初のは1100ページはあるどか弁みたいな本でとにかく凄いが凄すぎる。
二冊目はロマン派文学限定でぐっと明快。伝説と歴史の挟間にある半ば「神話」的世界の中世は、
驚異と暴力の世界でありつつ無垢の原初の世界でもあり、歴史の原点でもあり、現代を映す鏡でもあり、
つまるところは作りだされた一個のイリュージョンであるというような話かな。
三冊目のドーデは1874年から1880年にわたっての主要な劇の劇評をまとめたもの(が前半)で、
フロベール『候補者』からフイエ、『従兄ポンス』、デュマ・フィス、『80日間世界一周』、サルドゥー、
ボルニエ『ロランの娘』、コペー、ラビッシュ、バンヴィル、エルックマン=シャトリアン、ユゴー
『エルナニ』『リュイ・ブラス』再演、『レ・ミゼラブル』、オージエ、ゾラ、『居酒屋』、パイユロン
と、揃いも揃って当時は評判だったけれど今じゃ誰も読まない劇のオンパレードであるのは、
要するにこの時期の劇は全部丸めて歴史に置き去りにされちまったからなんだけど、
私としては実に興味深いのであった。そいだけ。