えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

どーでしょーか(しょーもないお約束)

アルフォンス・ドーデ

絶賛(うそだけど)公開中のデッサン集
Dessins autour de Maupassant
にこっそりドーデの絵を追加。(「ドーデー」の方が一般的かな。どっちがいいのか難しい。)
モーパッサンはドーデと親交があり、敬意も払っていたけれど、しかし彼特別に
評論を執筆することはなかった。一方ドーデの側の証言としては、
70年代彼を雑誌社に推薦したことがあるけれど、当時率直に意見を聞かれたら
「書くのをやめなさい」と言っただろう、というもの。
予見なんて当てになるものではない、という結論ではあるのだけども。
ところでドーデは日本でもフランスでも『風車小屋だより』とタルタラン連作の人になっていて、
その他の長編はあんまり読まれていない。私が読んでないだけか。
もっともプレイヤッド叢書にも入っているし、専門の雑誌もあるにはある。
しかし今ひとつ評価の上がってこない作家となっている気がする。
で、私は以前から密かに思っているのだけれど、
右寄りでアンチ・ドレフュスに加担してしまった作家というのは、いまだにおしなべて扱いが悪い
ということがある。要するになんとなく研究者が寄りつかない、ということがあるのではなかろうか。
間違っているかもしれない。いずれにせよ『風車小屋』もタルタランも非政治的な作品だ。
もっとも件の「最後の授業」だけは有名なんだけど、あれはドイツ(プロイセン)が敵のお話。
そこんとこだけ片目をつぶれば、共和制フランス万歳のたいそう教育的効果の高いお話である。
彼の物語りの才能はずば抜けたものがあるので、時間を見つけてじっくり読みたい作家の一人
なんだけれどもな。