えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

HPについての集計

カウンターは本日で5986。あとちょっとで六千でした。

  • 劇 3本 3幕1編、1幕2編
  • 詩 『詩集』19篇中18篇、他3篇
  • 時評文 「小説論」に序文をあわせて15編
  • 小説 なぜか幻想小説ばかりの4編、たぶん初訳の『エラクリウス』を含む。
  • 書簡 13通
  • その他
    • 追悼文 4編
    • 同時代評 ゾラ1編

以上が、この二年で翻訳できたものだ。
多いといえば多いし、少ないといえば少ない。まよく頑張った方ではあるまいか。
今後の展望を少し。
劇はあと二本。共作『ミュゾット』と単作『家庭の平和』。いずれも後年の作品なので後回し気味。
詩は、たとえ誰も読まずとも「田舎のヴィーナス」は訳すべし。意地の問題。
時評文は、そろそろ文学関連以外のものにも手を伸ばしてゆきたい。
がしかし最長のフロベール論をぜひともなんとかしたい。
小説も後回しになっているのは、なんといっても既訳がたくさんあるから。
とはいえ、ここに立ち向かわなければつまらないし、意味がない。
書簡はその都度、興味のあるものを訳していきたい。
その他に関しては、
とりあえずジュール・ルメートルとテオドール・ド・バンビルの同時代評から。
追悼文はゾラ、ブールジェに匹敵するものは見当たらないけれど、1893年時点での総括
という意味において読んでおきたいのが幾つかあると思う。
という感じで細々やってゆこうかと。


ところで本館というか、そもそもの始めは、古いデータを見ると
2003年12月1日のことだったらしい。都合4年2ヶ月なり。思えば遠く来たもんだ
というほどのこともないけど、最初は
Guy de Maupassant を巡って −モーパッサン・データベース
というタイトルだったのだ。懐かしいな。
当時はきばってこんな文章を載せていたのである。

 現在、日本においてインターネット上でのフランス文学に関する情報網は、他分野に比してまだまだ未整備、というよりもようやく第一歩が踏み出されたかどうか、という観を呈するものです。このことは文系研究者のインターネットに対する関心の低さを如実に示すと同時に(ただし例外はあります)、学問研究が研究室と学会誌という狭い領域に閉ざされてしまっていることをも、幾分か示しているように思われてなりません。もともと学問というものはその性質からして閉鎖的であることは否めませんが、本サイトの根本にして(秘した)最も壮大な野心とは、そのような状況を少しでも改善してゆくことにこそあります。もちろん、本サイトはささやかな一試みに過ぎませんが、21世紀の文学研究のあり方を占う一個の試金石として、あるいは踏み越えられるべき土台として、より多くの研究者を触発することが出来ればと密かに期待しています。

今からするとなんだか悲壮観みたいなものが漂っているようにさえ見える。憤っていたのねえ。
この4年で変わったことと言えば、たとえば
CiNii Articles - 日本の論文をさがす - 国立情報学研究所
で仏文学会誌の原稿が読めるようになった、てなこともある。まそれは些細なことにせよ、
これからの文学研究がインターネットともっと密接な関係を持つようになる、
という確信は当時も今も変わらない。
しかしまあ今の私はなるべく気張らず、
私のサイトを見て新たにモーパッサンに関心をもってくれる人が一人でもいれば
それに越した喜びはなし、と思うだけなのである。中原中也の詩に

奉仕の気持ちに、ならなけあならない。
(「春日狂想」、『中原中也詩集』、岩波文庫、2001年(41刷)、277頁)

というのがある。コンテクストは全然違うけども、そういうことだな。
いや、本当に。

ではみなさん、
喜び過ぎず悲しみ過ぎず、
テムポ正しく、握手をしませう。


つまり、我等に欠けてるものは、
実直なんぞと、心得まして。


ハイ、ではみなさん、ハイ、ご一緒に――
テムポ正しく、握手をしませう。
(281-282頁)