えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

レオン・ヴァラード

またまたKさんには速攻で教えていただいちゃいまして、
まことに御礼もうしあげます。
とりいそぎボルドーの雑誌を拝見。
著者が Jean de Maupassant というのに若干驚く。
なんも関係ないと思うけど。
さてさてレオン・ヴァラードさん (1841-1884) はボルドー出身、
ルイ・ル・グランを出た後、一時期、ヴィクトール・クーザンの秘書
をしたが、仕事はつまらんし給料は安い(月80フラン)で、
早々に逃げ出し、以後役所に勤めながら詩を書いた人。
ばりばりの高踏派で、あらあらヴェルレーヌのお友達でしたか。
なるほど。件の Vilains Bonshommes の集いでランボーとも対面している。
ただしエチエンヌ・カルジャとの喧嘩の後、会から彼を締め出したのも
ヴァラード、およびアルベール・メラおよび他のパルナシアン達だったとか。
代表作は A mi-côte (1874)。『中途で』て訳でいいのかしら。
ユゴーに褒められ、アカデミー・フランセーズの賞を取った。
それからジャーナリズムの仕事が多くなり、

C'est ainsi qu'il collabora à divers périodiques. Dans la Renaissance littéraire et artistique, fondée par Emile Blémont, et la Vie littéraire, d'Albert Collignon, il tint la rubrique des gazettes rimées, signées Silvius. Ce sont de petites satires politiques, sociales et littéraires roulant sur des sujets d'actualité.
Jean de Maupassant, "Un poète bordelais. Léon Valade (1841-1884)", Revue philomatique de Bordeaux et du Sud-Ouest, janvier-mars 1923, p. 14.
そうして彼は色々な雑誌に寄稿した。エミール・ブレモン創刊の『文学芸術ルネサンス』、アルベール・コリニョンの『文学生活』に、韻文うわさ話の欄を持ち、シルヴィウスと署名した。それらは時事的な題材を巡る政治的、社会的、文学的諷刺である。

なるほど、この人に間違いあるまいて。
そしてヴァラードは結核のために早くに亡くなったそうである。
1904年にボルドーの街の通りに彼の名前が付けられ、それから
彼の銅像も立てられたそうである。
ふーむ。そうでござったか。
というわけでまた一つ物知りになってしまいました。
まことにありがたいことでありました。


でまあ、ということは『文芸共和国』辺でモーパッサンとヴァラードが出会っている
可能性はけっこうあるだろう。でもモーパッサンの側からの言及は見当たらない。
ちなみに、奇しくもモーパッサンと同じ年齢で亡くなっているのだな、これが。