えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

海に住む少女

シュペルヴィエル、『海に住む少女』、永田千奈 訳、光文社古典新訳文庫、2006年
表題作だけは読んだことがありました。これはやはり傑作。
全篇「です・ます」で訳されているのが新しいところかと思う、よい選択。
表題作と「飼い葉桶を囲む牛とロバ」はよくできた作品で、しかしまあ
ずいぶんとロマンチックというかセンチメンタルというかではある。
「セーヌ河の名なし娘」と「空のふたり」は解説にもあるとおり、
死後の世界を語ってすこぶる奇妙。シュペルヴィエルという人も
ずいぶんの変り種ですな、と、思いました。