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えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

ポンヌフの恋人

フランス映画

Les Amants du Pont-neuf, 1991
橋というのはこちらからあちらへ渡るための場であり、それ自体はどちらにも属さない境界であれば、
封鎖された橋という場は、どこにも属すことのできない、行き場のない者のアジールとなる、
ということか。久し振りに観て、あらあらいい映画でないの、と思ったのは、
ともに行き場のない二人ではあるが、アレックス(ドニ・ラヴァン)がそこに留まり続けようと
する一方、ミシェル(ジュリエット・ビノシュ)はそこから出て行く希望を捨ててはおらず、
その行き違いの様子が実によく見てとれる、というところでありました。ある意味全然明るくないので、
カラックスが悲劇的な結末を考えていたというのは、むしろ自然な話かと思う。
ジュリエット・ビノシュの意向であの結末になったというのは有名な話で、
ぎりぎりのところでとどめたのは、それはそれでよかったのかと思う。
どう始めるかも難しいと思うけど、どう終えるかこそはまことに難しいものだ。
ところでパッケージにミシェルが「昔の恋人を射殺してしまう」とあるのは、
勇み足というか、まあ間違いですよね。一応突っ込んでおこうかと。

Quel qu'un 誰かが
vous aime. 君を愛してる
Si vous aimez 君が誰かを
quel qu'un 愛していたら―
vous lui dit demain 「空は白」と
"Le ciel est blanc" 言ってくれ
Si c'est moi je 相手は
répont "Mais les 「雲は黒」と
nuage son noirs" 答える
On saura comme それが
sa qu'ont s'aime. 愛の始まりだ

このアレックスの書き置き、綴りの間違いがいろいろあって、
そのことで彼がろくに学校にも行かなかったことが分かるんですねえ、
なんていうのは厭味なだけですか。はい。失礼しました。