えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

『女の一生』パンフレット

古本屋に出ていて思わず購入してしまう。
東劇のパンフレット、1959年のNo. 160
は、アレクサンドル・アストリュックの『女の一生
ジャンヌ役はマリア・シェル
イヴ・モンタンの『シャンソン・ド・パリ』と二本立てというのが、
いやまあ、ええ時代でごわした。
女の一生』は観たいと思っていながら未見の作品。DVD出してくれないかなあ。
名画という評判はあるのだけども。
フランスではたぶん出ているので、いつかその内と思いつつ。
丸山熊雄が「モーパッサンと『女の一生』」という短文を、
岡田真吉が「『女の一生』について」というレビューを書いているが、
劇場支配人さんの「『女の一生』鑑賞メモ」というのも、
モーパッサンをよく読んでいるのを感じさせる一文であり、これまた時代を感じます。


しかし私としては気になってしょうがないのが、背表紙の
「欲望の口紅」と謳う、キスミー エアーソフト口紅の広告である。
これをぜひとも引用しておきたい。「魅惑の6色 各300円」

新製法のエアーソフト口紅は一寸贅沢(ゼイタク)ですが、美しいピンク色のムードが他にかけがえのない値打です
この新色(ピンク)は時には殿方の欲望をかきたて、永遠の愛を誓わせる口紅でもあります。

「あります」っていうのがいいなあ、と。
これもすごいのが「御使用法」

ソフトタッチのこの口紅は色の美しさ、魅力が中心です。
モチの長さではありません
美しい唇をつくるために食事の後には必ずぬってください。これが世界の流行です

それはその、要するに「食べたら落ちる」ということでございましたでしょうか。
つまりはまあ慎ましやかな時代でありました。