えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

対訳で楽しむ『脂肪の塊』連載開始!

『ふらんす』2014年4月号

竜之介さん、長い間のご無沙汰どうも失礼いたしました。
昨年度に職場環境ががらりと変わっていらい、
まったくこちらへ戻って来ることのできない日々が続いておりまして
まったくふがいないばかりです。
もうブログの書き方忘れてしまいました…。
でもとにかく生きております! 竜之介さんもお元気で!


実はこの4月より、雑誌『ふらんす』(白水社)に
「対訳で楽しむ『脂肪の塊』」という記事を6回にわたって連載します!!
全国のフランス語学習者の皆様、
春からぜひモーパッサンをフランス語で味わってみてください!
1回あたり4頁。初回(64-67頁)では作品冒頭、
物語全体の背景を成す普仏戦争の情景を取りあげています。
コラムは「普仏戦争モーパッサン」。
どうぞよろしくお願いもうしあげます。


目下の読書は
カミ、『機械探偵クリック・ロボット』、高野優訳、ハヤカワ文庫、2014年
翻訳者の情熱が世界を変えるんだ、そうだ、がんばるぞ、と勝手に勇気を頂いております1冊です。
『三銃士の息子』も出るそうな。素晴らしい。
一緒に贖った一冊。
紀田順一郎、『書物愛 海外編』、創元ライブラリ、2014年
2005年晶文社刊の文庫化。
フローベール、「愛書狂」、生田耕作
アナトール・フランス、「薪」、伊吹武彦訳
オクターヴ・ユザンヌ、「シジスモンの遺産」、生田耕作
のフランス作家の作品が収録。
フロベール15歳の作(どんだけ早熟)がこんなところで読めるなんてすごい。
フランスのは「シルヴェストル・ボナールの罪」の第一部。


東京方面で「ラファエル前派」と「唯美主義」を鑑賞し
神戸方面でターナーを鑑賞し、すっかり英国づいた勢いで読んだ本2冊。
高橋裕子、『イギリス美術』、岩波新書、1998年(2013年第3刷)
自分の美術史観が典型的に「フランス中心主義」で出来上がっていることをしみじみ感じる。
宮崎かすみ、『オスカー・ワイルド 「犯罪者」にして芸術家』、中公新書、2013年
1882年ニューヨークに到着し、税関で「何か申告するものはありますか?」と聞かれて

何もありません。才能のほかには。
(47頁)

1891年、3度目のパリ訪問で、マラルメに会う。
『大ガラス』翻訳への礼状に記した言葉。

イギリスには散文があり、詩があります。ところがフランスでは詩と散文とが、あなたのような名人の手により一つのものとなっているのです。
(97頁)


それとは別に、先日つづけて読んだ岡田先生のご本は素晴らしいので並べておく。
岡田温司、『マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女』、中公新書、2005年(2012年13版)
――、『処女懐胎 描かれた「奇跡」と「聖家族」』、中公新書、2007年
――、『キリストの身体 血と肉と愛の傷』、中公新書、2009年
――、『アダムとイブ 語り継がれる「中心の神話」』、中公新書、2012年
とまあ、そんなところで。