えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ふりんのもんだい

さて不倫の問題である。て嬉しがってどうする。 いまさら言うまでもなく、『クレーヴの奥方』以来、綿々と続くフランス文学の伝統であってみれば、 ことさらモーパッサンが新しいわけではないのである。しかしモーパッサンにとっても まこと重要な主題であっ…

書く前に読む

散髪。 そもそも韻文の『リュヌ伯爵夫人』はよく考えてみると三単一の規則を順守しているのである。 モーパッサンが形式・様式に美を認めていたのはある程度まで確かだと思うし、 モーパッサンはボワローをよく引いてもいる。彼にはにわかに信じがたいくらい…

恐怖

La Peur, 1884 フィガロ、7月25日。 「エコー・ド・ラ・スメーヌ」1890年8月31日に再録。コナール版『ロックの娘』所収。 ゴーロワ1882年10月23日に同題の作品がある。 汽車は全速力で闇の中を走っていた。 私は一人、老年の紳士の前に座り、彼は扉から外を…

ぜいじゃくな私

なんだかうだうだして日が過ぎて夜になる。 多木浩二『肖像写真―時代のまなざし』岩波新書、2007年 の最初にナダールが出てくる。 19世紀後半の芸術家はほとんどみんなナダールに写真を撮られているのは しかし何なのだ、と改めて考える。 (ナダール撮影の…

夷狄を待ちながら

J・M・クッツェー『夷狄を待ちながら』土岐恒二 訳、集英社文庫、2007年(2刷) 「読みやすさ」から言うと『恥辱』よりもずっと固い。中身は同じくらいハードで。 帝国主義下の辺境(植民地)における支配と被支配とそこに顕在化する暴力の問題 といって何…

いってらっさい

月に一度のマラルメの日。ついに一段落がつく。 焼き肉で旅立つ人を送り出す。実り多いものになればいいね。

また忘れた

思えば8月5日はモーパッサンのお誕生日であった。すまぬすまぬ。 自分で思っている以上に愛が足りないのではないかとしばし内省。 生きていれば彼も157歳である。って生きてる訳はないのだが。 がんばって157年前のノルマンディーに思いを馳せてみたい。 久…

ええい、もう

今日もへろへろ。 『リュヌ伯爵夫人の裏切り』はモーパッサン流『マクベス』だ! ということを言おうと思って、仏訳を眺めていたら、 翻訳者はピエール・ジャン・ジューヴだと気づく。 Shakespeare, Macbeth, traduit par Pierre Jean Jouve, GF Flammarion,…

ピエール・ボレルに文句をたれる

ところで本日、本業においてびっくりな発見をしたのであるが、 大変マニアックなネタであるし、職務上黙っておくべきかもしれないながら、 ここに勝手に放言しておこう。 問題は、 Pierre Borel, Le Destin tragique de Guy de Maupassant, Editions de Fran…

発見

本業に突入した途端、ブログを書く余力まで失せてしまうとは困ったことである。 モーパッサンに夢中でモーパッサンが読めないというのは、なんだかよく分からない ような話である。なんとかしよう。

Tiffばんざい

少し前より http://gallica.bnf.fr/ で、いよいよ日刊紙の掲載という驚異的なプロジェクトが進行しており、 フィガロ、タン、プレスにジュルナル・デ・デバが、なんと居ながらにして読める!! という興奮すべき事態になっているのである。 が、これをPDFで…

勝手に宣伝

今日も一日本業。ゆっくり進め。 http://www.maupassantiana.fr/ ノエル・ベナムー先生のサイト「モーパッサンチアナ」がサイトを移転しました。 あれよあれよという間にモーパッサン研究者必携のサイトに大成長、今もどんどん 拡張しているこのサイト。夢は…