えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

「モーパッサンを巡って」移転のお知らせ

ジョルジュ・サンド
 このたび、長らくお世話になっていたlitterature.jp から独立することになりました。
モーパッサンを巡って
 なんと、maupassant.infoのオリジナル・ドメインを取得しての再出発になります。


 再出発を祝うべく、翻訳を一本掲載いたします。ふと勢いで「首飾り」を訳してしまいました。
モーパッサン 「首飾り」
 屋上屋の上にさらに屋をかけるかの暴挙ではありますが、ご一読いただけましたら幸甚です。
 おまけに(何の関係もないけれど)ジョルジュ・サンドも掲載。長くかかったんだなこれが。
 彼女の着ている服がいったいどうなっているのか、けっきょく最後までよく分かりませんでしたけど。


 ぱらぱらとゾラの翻訳を見ていて目に留まった箇所を脈略なく引用。

文学だけが永遠に君臨できる。文学は絶対的なものであり、政治は相対的なものにすぎない。混乱した今の時代には、国民が動揺しているせいで政治家が巨大で不健全なまでの影響力を持つようになったが、それを打倒しなければならない。彼らの虚飾の犠牲となって国家が錯乱するのを望まないのならば、こうした一時の操り人形、自分たちの言動がどんな結果をもたらすか予想できず、ほとんど意識もしていない単なる道具のような人間は、彼ら本来の器の大きさに引き戻されるべきなのである。政治家がすべてではない! 時代は学者と作家のものであり、政治家が時代を牛耳っているのではない! それが現代の政治沙汰を越えて、私が絶えず響かせようとしている叫びにほかならない。あなたがた政治家の喧噪は止み、われわれの作品は残るだろう。あなたがたは無で、われわれはすべてである。たとえそう叫ぶのが私一人になっても、強く叫びすぎると怖れることなく常にそう叫ぶだろうし、自分の仕事が正しく、あなたがた政治家は結局無能だということを確信するだろう。
エミール・ゾラ「決別の辞」、『フィガロ』紙、1881年9月22日、『時代を読む 1870-1900』小倉孝誠・菅野賢治訳、藤原書店「ゾラ・セレクション」、2002年、94-95頁)

 この時、ゾラは40歳を過ぎたばかり。うむ、ゾラ万歳。