えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2007-01-01から1年間の記事一覧

はやく元気になあれ

今日はいい天気だなあ と思って庭を眺めてらた、ノボタンさんに花が咲いている。 くるい咲いちゃったのかどうか心配です。そういえば蝶も飛んでいる。 10月ってこんなんだっただろうか。 昨日の雑誌には未刊行書簡が収録されていたりするのだけれど、 最初の…

うれしい

ついにご本が到着して 嬉しいので 大きな写真に してみました。 改めて ノエル・ベナムー先生には 感謝なのであります。 ま、むずかしいことは 言わないでくださいまし。 モーパッサン、 かわいくていいでしょ。 ところで今日は大雨の中 5回目を終了したので…

後日の話

河野多恵子『後日の話』文春文庫、2002年。 4冊目ともなれば河野作品についてのイメージもなんとなく出来てくるものだけれど、 しかしなかなか焦点が定まってこないのである。「解説」に川上弘美の言う通り、 なにかが「ズレている」のは分かる。でも何がど…

水曜日はねむすぎる

おとなしく原稿書きなどして、とりあえず8枚に収めてみる。 あれもこれも入れたいのにー、と思ってもどうにもなりまへん。 ただ一本の筋を通せ。 ところで、河野多恵子はどこじゃいな、と本を探していたら出てきたのは カチュール・マンデスだった。なんちゅ…

黄色い星

今日はちと残念なことがあって残念だった。 ペレックがらみで黄色い星について学ぶ。今となっては信じられないようでも 信じなくてはいけない歴史。想像力ということについて思った。

ルーゴン=マッカールについて思うこと

Les Rougon-Macquart とあれば『ルーゴン=マッカール叢書』 と訳すのが相場である。けれど厳密に言うなら、これは「ルーゴンおよびマッカール家の人々」の意味で 「叢書」というのはどこにも書いてない。そのことに気づくと、Les Thibault なるタイトルで、…

四回目

お名前は何ですか? 国籍は何ですか? 住所は何ですか? あとは所有形容詞でしたね。ちとややこしいけど覚えてねん。 話していると、改めてフランス語が母音衝突を避けることに徹底していることに気づかされる。 いちいち説明するのがたいへんなんだけどさ。

みいら採り猟奇譚

河野多恵子『みいら採り猟奇譚』新潮文庫、2006年(2刷) 主題というならマゾヒスムということになるのだろう。 でもそれだけが書いてあるという以上にずっとたくさん、それ以外のことが書かれている。 戦時とはいえども淡々とした日常の描写が積み重なれて…

ご近所さん

ふらふら散歩してご近所さんに出会ったので写真をぱちり。お休み中のところすみません。 川と名のつくお池にお住まいの、笠原メイいうところの「アヒルのひと」たちです。

学会誌を読もう(4)

そういうわけで続き。 原大地「詩と不毛性 −マラルメ・ユゴー・ボードレール」, p. 140-154. 60年代のマラルメの詩を「不毛性」の観点から検討する論文で、 「鐘撞き男」とボードレールとの比較から、ボードレールにはまだあったロマン主義的な 詩人像がマラ…

執筆要項はむずかしい

昨日はペレック。 今日はそろそろ次の原稿書き。 「仏文は74ストローク×40行×8頁以」内、という規定である。うーむ。ストロークときたか。 で、今回は経験則から言うと、 本文ページ設定は10,5ポイントのまま、実際には12ポイント(注は10,5)で執筆すると、…

学会誌を読もう(3)

そういうわけでまた続き。 Kensuke Kumagai, "Résurrection de la ville - A propos de la fête théâtrale dans La Dernière mode" de Mallarmé, p. 95-109. パリに出たマラルメは1874年にモード雑誌「最新流行」を発行、「クロニック・ド・パリ」の欄には …

予習

今日は正しく予習をする。

学会誌を読もう(2)

そういうわけで続き。Hiroko Teramoto, "Poétiue de l'opacification chez Flaubert", p. 52-66. 『感情教育』ではしばしば、地の文中に登場人物の言葉がギュメで引用される。 言語の指示対象ではなく言語そのものを指示させる機能を「不透明化」という用語…

六甲へ

本日はマラルメの日で六甲へ。快晴で心地よし。

学会誌を読もう(1)

そういうわけで、おもむろに個人的に「学会誌を読もう」キャンペーンを展開する。 研究者的書評でなく、基本(素人)褒め褒めモードのつもりなので(でも私利とは無縁よ)、間違いがあっても ご海容にお願いいたします。 Atsuko Tamada, "L'amour de la terr…

三回目

今日はだいぶ涼しくなったと感じつつ半袖で。みんなホテルに泊まれるよになったかな。 帰り道は日没が早まっているのを知る。

まず隗より

日が経つのが早い。初めて長袖に腕を通したら肌がびびってた。 ところで学会誌が届く。 Etudes de langue et littérature françaises, (『フランス語フランス文学研究』), No 91, septembre 2007. というものである。 どうでもいいのだけれど仏文学会誌は…

さむい

もう9月も終わってしまう。とそんなことばかり言っているうちに、 急に涼しくなって、なんだか寒いくらい。季節の変わり目は風邪に注意しよう。 もう秋というより、どう考えてもやっと秋だけど、なんとなく複雑な気持ち。

秘事・半所有者

河野多恵子『秘事・半所有者』新潮文庫、2003年 簡にして要を得た菅野昭正の解説の通り、「『秘事』は絵に描いたように幸福な夫婦、幸福な家庭の小説」。 派手な事件はなんにもないままささやかなエピソードが連ねられ、そのまま最後まで行き着いてしまうこ…

本が売れれば家が建つ

半年に一度の研究会。お題はブルトンとヴィアンとパスカルでした。 昔は本が売れたら御殿が建ったという話を聞く。 なるほどゾラは『居酒屋』が売れてメダンの土地を買い、 『メゾン・テリエ』が売れてモーパッサンはエトルタに別荘を建てたのだった。 ちと…

あいのさんか

二回目終了。みなさん、ピアフの歌声いかがでしたでしょうか。

おおおお

待望の『21世紀少年』下巻を読む。とりあえず これだけ楽しませてもらって、ありがとうでした。

道楽者にされた男の請願

Pétition d'un viveur malgré lui, 1882 「ジル・ブラース」1月12日、モーフリニューズ名義。シュミット版初収録。 viveur は古い言葉だそうで、原義「生きる人」が転じて「道楽者」「遊び人」になるあたり、なんとなく フランスらしさが出ているような、と…

不意の声

河野多恵子『不意の声』講談社文芸文庫、2005年(4刷) たいへん気持ちの悪い小説である(というのは褒め言葉だと思うんだけど)。 お母さんを殺すまでに至る経過をこと細かく追っていくところが何より怖く、 人を殺すことの(文学的)リアリティーみたいな…

虫も鳴く鳴く月夜かな

昨日と打って変ってすごい本を読む。

初恋

トゥルゲーネフ『初恋』沼野恭子 訳、光文社古典新訳文庫、2007年(2刷) 私によく分からないのは、 翻訳者が断言しているので弱ってしまうのだけれども、 「ジナイーダの初恋の相手がウラジミールの父」だった、というのでいいのだろうか、ということ。 確…

はつ恋について

初恋というものは美しいものだ。というのは、物語がすべて過去形によって語られるように、初恋は思い出によって語られるから。 福永武彦『愛の試み』新潮文庫、2001年(41刷)、46ページ。 なんとも気恥ずかしいお言葉であるが、しかしまあそういうもんであ…

流れついた人々

Épaves, 1881 「ゴーロワ」12月9日。シュミット版初収録。 私はよそ者の発った後の十二月の海が好きだ。もっとも、もちろんのこと、ごくあっさりと好きだというわけだけれど。私は、夏の保養地と呼ばれる土地に三日ばかり滞在しにやって来たのだった。 (1巻…

ハードボイルド

レイモド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』村上春樹 訳、早川書房、2007年 を堪能。恥ずかしながら初めて読みました。しびれました。