えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2010-01-01から1年間の記事一覧

今日も一本

映画を観て、一日が終わる。

ライフ・イズ・ミラクル

Живот је чудо, 2004 エミール・クストリッツァ監督。 『サラエボの花』があまりに悲痛なので、すがるようにこの映画を観る。 聞きしに勝るクストリッツァの奇才ぶり。 冒頭から「失恋して鉄道自殺したがるロバ」とか出てきて訳が分からなく、 戦争を題材に…

サラエボの花

Grbavica, 2006 ヤスミラ・ジュバニッチ監督。ベルリン金熊。 サラエボのグルバヴィッツァに暮らすシングルマザーのエスマには、12歳になる娘サラがいる。 ナイトクラブでウェイトレスをしながら、娘の修学旅行費用200ユーロを得るために苦労している。 一方…

ユーゴ紛争を語る

福島方面でブラームス。

太陽に恋して

Im Juli, 2000 やっと観ました、ファティ・アキン長編第2作。 ハンブルクの冴えない教育実習生の青年が、 トルコ人の女性に恋をして、イスタンブールまで追いかけようと車に乗ったところで、 彼に魅かれている別の女性が、ヒッチハイクで乗りこんでくる。 ハ…

11'09''01 セプテンバー11

11'09''01 September 11, 2002 この映画は次の本で教えてもらう。 佐藤忠男、『映画でわかる世界と日本』、キネマ旬報社、2008年 2001年9月11日の事件に対してどう応えるか、という問いを11人の監督にぶつけた作品。 ケン・ローチ、アモス・ギタイ、ミラ・ナ…

ふたたび映画観る日々に

日本の古本屋さんに出ていたので、勢いで購入してしまった本。 Guy de Maupassant, La Maison Tellier, Havard, 1889 (dix-neuvième édition). 1881年初版の重版ものだけど、ちゃんと年と版が記してあるのに少し驚く。 仮綴じなのであるが、おかげで裏表紙に…

あばずれのローザ

さすがに我ながら物好きとは思いつつ、もう一冊届いたので確認。 あたちたちは、ちっちゃなお池とおわかれちてきたんですよ! グワ! グワ! グワ! ちっちゃな金串とおちかづきになるためにね――グワ! グワ! グワ! (モーパッサン、『脂肪の塊・テリエ館…

ゆるみ気味

数日、いささかゆるみ気味。こりゃいかん。

みたびの家鴨

モーパッサン、『快樂』、長塚隆二譯、三笠文庫、1952年 いまさらですが、50年代、60年代には巷の文庫にモーパッサンが溢れていました。 それにしてもこの「快楽」なるタイトルは何なのか。 とずっと思っていたのであるが、現物を見て納得する。 以上、『マ…

快楽の理由

予定調和的に今日は沈没。 沈んでいる間にまた本が届いてしもうた。

毎日がお祭り

「メゾン・テリエ」の家鴨について一例追加。 「あたちたち、小っちゃなお池と別れて来たの。グワッ! グワッ! グワッ! 小っちゃな金串と、お友だちになるために。グワッ! グワッ! グワッ!」ドッと女たちが笑い崩れた。 (モーパッサン、『メーゾン・テ…

意訳の落とし所

月曜日、会議。本日、宴。

家鴨の鳴き声

「メゾン・テリエ」の中で、列車の中で女達は農民の夫婦と一緒になり、 そこに軽薄な小間物商の男が乗ってきて大騒ぎになる場面があるのだけれど、 そこに出てくる家鴨の話。 そういえば、モーパッサンに出てくる「カナール」はカモかアヒルか調べた方もおら…

ずるとん

愛用の座布団を古いからと捨てられてしまいましたが、 彼には外側が「あんどれ」で内側が「ずるとん」(逆だったかもしれぬ) というれっきとした名前があったのである(深くは聞かないでね)。 長い間お世話になった。どうもありがとう。 間近に迫る秋を怖…

1枚けずる

10枚の原稿を一週間で書いたら、11枚になったので、 今日は1日かけて、1枚削るのにたいへん苦労する。 昨年は3日で書けたと豪語していたのに比べて、これは退化なのか。 その可能性は否定できないけれども、下準備の量の違いということもあり、 この度は結論…

オーケストラ!

Le Concert, 2009 ラデュ・ミヘイレアニュ監督。 こんなに笑えるフランス映画はめずらしい。 半分ロシア映画のなせる技かもしれない。 ありえないようなお話のコメディ映画ですが、 どたばたぶりから最後の締めまで見事な腕前でありました。

書く書くしかじか

作品集としての『メゾン・テリエ』にとりかかって一週間。 『詩集』の詩人と「脂肪の塊」の散文家の融合するところに、 この作品集の世界は築かれた、 とりあえず今のとこ、そんな話。 短編集『メゾン・テリエ』は1881年5月に発表されるが、 所収8編ともに春…

ルイーズ・ミシェルをからかう

1880年春にモーパッサンは日刊紙 Le Gaulois と契約し、 基本的に週一回(とはいえ実際は大変まちまち)記事を掲載するようになる。 その『ゴーロワ』が、いまやGallicaで全て閲覧することができるのであるが、 しかもいつの間にか、OCRで読みとったテクスト…

新聞を読む日々

一日8時間以上パソコンに向かっていると、 ブログ書く元気もでないのであったことよ。

異邦の香り

野崎歓、『異邦の香り―ネルヴァル『東方紀行』論』、講談社、2010年 事情があって二日で急ぎ読む。 『東方紀行』を読み進めながら、面白いところを拾い上げていく手つきはお手の物で、 ところどころ、アルトーやジュネといった20世紀作家と繋げるところもま…

テレヴィ購入

ついに我が家も地デジとやらになるらしい。ふむ。 水曜日、『借りぐらしのアリエッティ』鑑賞。 借りぐらしとはブリコラージュだ、というのは色んな人が言うているかしら。 「なにかに使えそうだわ。」と、アリエッティは思いました。「考えてみなくちゃ……な…

カンダハール

Safar Qandhar, 2001 モフセン・マフマルバフ監督。 今にしてみれば、戦争直前だったということになる、アフガニスタンに残してきた妹に、 亡命していた姉が単身会いに行こうとするお話であるが、 まあ、物語が普通に完結したりするわけではない。 女性一人…

プリズム的

土曜日マラルメ。 『賽の一擲は決して偶然を破棄しないだろう』は、実質的にはおよそ3カ月で書きあげられ、 1897年5月号の『コスモポリス』に掲載されるが、これは不完全な形だった。 出版者ヴォラールがルドンの挿絵入りの豪華版の出版をもちかけ、 マラル…

有罪無罪

今日もわりかしよく働きました。 先日、ご先祖のお家で発掘してきた本、三冊。 1 『現代フランス映画』、飯島正監修、河出新書写真篇、1956年 フランス映画がよく観られていた時代の記録となる一品。 2 モーパッサン、『女の一生』、岡田眞吉譯、白水社、…

ベッカムに恋して

Bend it like Beckham, 2002 グリンダ・チャーダ監督。 イギリスに暮らすインド系2世のサッカー好きの女の子が、 親に内緒でサッカーチームに入部するお話。 確かに異文化摩擦という面はあるにせよ、ここで問題になっているのは むしろ世代間の価値観の相違…

駄作はあるか

帰宅して早々、洗濯して色移りをやらかしてしまい、 白シャツが赤シャツに化けてえらくげんなりしたものの、 昨日と今日は正しく(起きて)仕事ができた。 ようやく1880年秋の4編のコルシカ時評まで来る。 id:etretat1850:20080412 ながいながい2年4カ月。 …

マラルメの瞳の色

夏休みになって、またしても絵を描いてしまいました。 マラルメの肖像のリニューアル。 ステファヌの瞳の色を、誰か教えてください。 てなことはともかくとして、 竜之介さん、またまたどうもコメントありがとうございました。 なるほど、猫もいろいろがんば…

短編「刹那」

岸田國士を仕舞ってたら、かわりに出てきた本があったので、 そうか、この話はしていなかったなと思う。 おそらく、日本で一番読まれたモーパッサン偽作の話。 『モオパッサン選集』、平野威馬雄訳、新潮文庫、1934年初版(1939年25版) には19編の短編が収…

雨の夜

気合いを入れるべく、猫を交替。 しかし冷静に考えてみると、「がんばる猫」とはオクシモロンではあるまいか。 がんばってる猫を見たことありますか?