えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

カリオストロ伯爵夫人

モーリス・ルブラン、『カリオストロ伯爵夫人』、井上勇 訳、創元推理文庫、2005年(38版)
これは凄くて、抜群に面白い。出版は1924年
二十歳の青年ラウール・ダンドレジーが謎の女ジョゼフィーヌバルサモと愛憎の関係の果て、
自らの才能に目覚め、成長を遂げてアルセーヌ・リュパンになるまでの物語。
どろどろの愛憎劇がこれでもかと続くさまは、さながら蝮の絡み合い。
駆け引き、策略、騙し合い。リュパンものの面白さは謎解きよりもむしろそっちに
あるのだろうな、と、ここまで来てようやく分かった気になった。